ホームページの内部要因を改善していくときに、頭においていてほしいことを最後にお話します。
それは、検索エンジンはシンプルな構造のHTMLをより好む、ということです。
検索エンジンには、インターネット上に存在する膨大な数のホームページの中から、検索ユーザーが望むべき検索結果を、迅速に提供するという使命があります。
そのため、HTMLソース内に、ページのデザインのレイアウトのためのテーブルタグが多用されていたり、JavaScriptやCSS(スタイルシート)が大量に記述されているような複雑な構造をもったページよりも、シンプルな構造で、必要なHTMLタグだけを簡潔に記述しているようなページを好む傾向にあります。
こういった観点から、SEO対策を行うにあたっては、ページのレイアウトのためにテーブルタグを多用しているのであれば、それをCSSによるレイアウトに変更したり、JavaScriptやスタイルシートを使用する際は、できるだけ外部化を行うことが一般的になっています。
たとえば、私のもとに相談に来られたクライアントの方の中にも、SEO対策を全く意識せずに、ホームページ作成ソフトでサイトを作成した結果、<head>から</head>で囲まれた部分(HEAD要素)に、かなり長々とJavaScriptやCSSのコードが記述されてしまっていたということがありました。
このような状態だと、検索エンジンのロボットが重要視する項目は、<body>から</body>で囲まれた部分(BODY要素)に記述されていることが大半なのにも関わらず、その部分を読み込むまでに余分なコードを読ませてしまうことになるため、検索エンジンのロボットからは、あまり良い評価は得られないと考えられています。
事実、このクライアントの方に関しては、JavaScriptやCSSのコードを外部化して、HEAD要素を10行程度に軽量化することで、検索順位の向上が見られました。
もし、あなたのページが、JavaScriptやCSSのコードを外部化することにより、HTMLを簡潔なものに軽量化できるようであれば、そうすることにより、SEO対策上、より良い効果が期待できるでしょう。
しかし、実際にこういったCSSの外部化の作業を行ってみると、ある程度の知識がなければ、それまでしっかりと表示されていたデザインが崩れてしまうことを繰り返してみたりと、思いのほか時間のかかってしまうのものです。
すでにおわかりいただいているように、検索エンジンのロボットは、検索結果の順位決定においては、さまざまな判断基準をもとに、それぞれのページを見ています。
そのため、今回、説明した、JavaScriptやCSSのコードを外部化によるHTMLの軽量化が、技術的に、なかなか実現できなかったり、また、そこに時間がかかりすぎるようであれば、あえて、その対策は諦め、新しいページを追加してコンテンツの充実を図るなど、別の要素でカバーすることを考えるほうが、実際にページに訪問してくれる人のためにも最適な対策になると私は考えています。